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"the end of the rainbow"  LINER NOTES by トカレフ丸山

トカレフ丸山(knov)
トカレフ丸山(knov)

どうも!トカレフ丸山ことノブです。

 

まず始めに、本文章がオタク気質の主観に溢れてしまってることをご理解いただきたい。まあしかし、僕に執筆を頼んだということはそういう事なんだろうと解釈して、遠慮なく書きたいように書かせて頂いた。

 

 

このTIED KNOTS。全体の音的にはハードコアをルーツとした90年代のemoサウンドに影響を受けていて、伝統的な音は守りつつもさらに現代の音に昇華させることに成功している。 90年代だと、Texas Is The Reason、Starmarket、Christie Front Drive、Mineral、Penfold、The Jazz June、リバイバルでは、You Blew It!、Pentimento、Their/They're/There、Bridge And Tunnel、日本だとBluebeard、Malegoat辺りが好きなら絶対にハマるはず。

 

2008年辺りから現在(2015年)まで世界的にそういった90年代emoリバイバルのバンドが多く出て来ているのだが、TIED KNOTSはその他大勢のバンドに比べて、曲にフック(サビとか聴かせどころとか)を持たせるのが圧倒的に上手い。 そして、どことなく歌メロから日本情緒が感じられる。 日本詩でありながら発音やリズムの取り方は英語風という手法を取っているんだけど、しっかり日本人ならではのメロディの雰囲気が感じられる。

 

なので、もちろんemoオタクの方にも、emoとかよく知らないけど日本語で良いメロディのバンドが聴きたいだけ!って方にもオススメ出来てしまう凄みがこのアルバムには溢れている。

 

 

曲も演奏もかなり練られていて、隙もなく優れたバンドだなーと感じられるんだけど、歌を活かそうというドラムの心意気が曲の良さを引き上げてる感じも優れたバンドである証でもあると思う。(bachoの歌詞で言うところの、「誰かの足を引っ張るよりも、俺も誰かの背中を押したい」を体現。)

 

色々とウンチクっぽい事を書きましたが、このアルバムは御託抜きで単純に良い曲が詰まってます。 以下、特別印象に残った曲の、さらに筆者の主観キツめの曲解説。

 

 

My Lies, Forever

 

0:42からの最高のグッドメロディの爆発力と力強く張り上げたボーカルでもれなく涙腺崩壊。 男泣きemoの名曲として今後も語り継がれます。Texas Is The Reasonぽい曲だなと思ったけど、メロディのクオリティは圧倒的にTIED KNOTSの勝利。 音楽って勝ち負けじゃないけど、それでも「勝ってる」と思わずにはいられない。

 

 

 

T.V.Game

 

とにかくDag Nasty感がすごい。 始まりはPeter Cortner時代の湿気を帯びた憂いのある哀愁メロディなんだけど、サビで一気にDave Smalley風のメロディを纏った叫びで晴れ間を見せる、筆者的にドツボにハマる作風。 この曲を一言で表すと「梅雨明け」。

 

 

 

Rainy Days

 

 イントロのカウントを叫ぶところを、普通ならワン!ツー!スリー!フォー!と言うところを、ひぃ!ふぅ!みぃ!よぉ!としているところ、邦楽ロックの草分けである「はっぴいえんど」のオマージュなんだけど、さすが秩父のお祭り男、声の張り上げ具合が最高潮でまさに秩父夜祭(行ったことない)。 この曲は曲構成、各楽器の押しと引き、歌の乗りが完璧。 歌もメロディだけでなく、「声」で泣かせるところがまた良い。

 

 

 

 

長々書きましたが、皆様どうか好きな時に好きなシチュエーションでこのアルバムを楽しんでいただけたらなと思います!では!

 

 

2015年12月 トカレフ丸山(knov)